反社の関与を確認する方法は?チェックの流れや調査時の注意点
2026/01/14

「取引先企業や採用候補者に反社会的勢力が関与していないか……」
反社会的勢力との関係は、一度でも結んでしまうと簡単に解消できず、不当要求や風評被害、行政指導、さらには刑事リスクに発展する可能性もあるため、軽視できない問題です。
多くの企業が反社チェックの必要性を認識しつつも、どのタイミングで、どのような方法で、どこまで確認すべきなのか分からないという課題を抱えています。
そこで本記事では、反社会的勢力との関与を確認すべき具体的なタイミングや、関与が「濃厚な場合」「不明な場合」の適切な対応方法、さらには公開情報・反社データベース・専門調査会社・公的機関の使い分け、チェックの流れについて、実務の流れに沿って詳しく解説します。
目次
反社関与を確認するタイミング
取引先企業の反社関与を確認するタイミングとしては、新規取引開始前やM&A、契約更新時、業務的提携時が挙げられます。
また、自社内においては株主調査やIPO(新規上場時)、幹部候補採用時、場合によっては役員以下のレイヤー採用時などにも実施します。
さらに、素性不明な株主による自社株の大量買いが行われた際も、反社との関わりや繋がりを疑って調査を実施します。
「取引が開始した後に……」「役員に就任した後に……」など、関係性を結んでしまった後に反社関与が判明した場合、対応が困難になるケースがほとんどです。もっと言えば、関係性ができた時点で、登記上や取引履歴にその旨が残ってしまうため、事前の調査で関係を防ぐことが大変重要となります。
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反社関与に関する対応と確認方法
次に、反社関与が濃厚な場合と、関与が不明な場合についての、対応方法および確認方法について見ていきましょう。
反社関与が不明な場合の対応
すでに取引のある企業や従業員、大口株主について反社関与が濃厚なときは、ただちに顧問弁護士・警察・暴力団追放運動推進センター(暴追センター)に相談します。
顧問弁護士に相談する際は、警察や暴追センターと連携がとれる可能性があるので、まずは弁護士に対応方法を確認しましょう。
反社関与が不明な場合の対応
反社関与が不明なときの確認方法としては、社内で調査を進める方法と、第三者の専門機関に協力を要請する方法の大きく2パターンがあります。
一般的な調査ステップとしては、まず社内で調査を進めてできる限りの情報を集め、その情報を活用して第三者の専門機関に調査を依頼します。専門家でなくても収集できる情報を先に集めておくことで、調査費用と調査期間がカットでき、さらに、それらの情報を用いて、専門機関でより深度のある調査が進められるからです。
【手順】反社関与を確認する具体的な流れ
次に、反社関与を確認する一連の流れと、確認方法の使い分けについて、具体的に見ていきましょう。
【具体的な確認手順】
①:公開情報で確認する
②:反社リスト・反社データベースで確認する
③:専門調査会社に調査を依頼する
④:公的機関や弁護士に相談する
⑤:反社関与判明後の具体的な対応方法を相談する
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①:公開情報で確認する
まずは、公開情報を集めていきます。
公開情報とは、公的機関・民間企業・一般人が、不特定多数の人に向けて公表している情報のことです。国や自治体が公表している官報や資料から、民間企業が公式サイトに掲載している企業情報、一般人が発信しているSNS投稿と、その範囲は膨大です。
そして、これらの情報を「新聞記事」と「インターネット」を用いて調べていきます。
まず新聞記事の調査方法ですが、新聞各社が提供している検索システムを用いる方法があります。検索時は、対象の「氏名や企業名」と、下記のような反社に関わるネガティブワードを同時に入力します。
【ネガティブワード一覧】
①反社・組織に関するキーワード:
暴力団、ヤクザ、反社、準構成員、フロント企業、闇、右翼、左翼
②犯罪・事件に関するキーワード:
逮捕、事件、訴訟、摘発、送検、容疑、捜査、傷害、殺人、窃盗、違反、違法、偽証、罪、不正、詐欺、脱税、ブラック、架空
③公的処分に関するキーワード:
処分、行政処分、行政指導、課徴金
なお、全国ニュースになっているような大きな事件や、上場企業に関する情報を調べる場合は「全国紙」、特定の地域で起きたことや、地域の中小企業について調べる場合は「地方紙」、特定の業界について深く知りたい場合は「業界紙」や「専門紙」で調べると、知りたい情報にアクセスしやすいでしょう。
インターネット検索でも同様に、企業名や氏名と、上記の反社に関するネガティブワードを一緒に検索します。
②:反社リスト・反社データベースで確認する
新聞検索・インターネット検索の他に、反社リストや反社データベースと呼ばれる反社会的勢力や反社会的行為に関する情報を集めたものを活用できる可能性があります。
反社リスト・反社データベースは、公的機関が提供しているものから民間団体が提供しているものまであり、各団体の業務で取得した情報が提供されています。
| 提供元 | 提供される情報 |
|---|---|
| 警察庁/各都道府県の暴追センター | 指定暴力団一覧表(組織の名称、所在地、構成員数など) |
| 自治体 | 行政処分を受けた企業の情報(企業名、内容、理由) |
| 裁判所 | 過去の裁判例(裁判の日付、事件名など) |
| 民間団体 | 法人に関する登記情報、現地調査による評判など独自に収集した情報 |
利用時の注意点として、まず、公的機関ではすべての情報が一般公開されているわけではありません。情報・状況によっては、各団体に相談した上で、必要に応じた情報提供や助言を受ける形となります。
また、民間団体が提供している反社リスト・反社データベースは、独自で調査した情報を提供している場合もあれば、先ほどご紹介した新聞記事やインターネット上にある情報をまとめて検索できるサービスを指すこともあります。そして、このような検索サービスは「反社チェックツール」という名称で提供されているのが一般的です。
③:専門調査会社に調査を依頼する
公開情報や反社リスト等で有力な情報が得られなかったときや、「これ以上は調べようがない」というとき、また「これまで調べた内容に確証が持てない」といったときは、調査会社への調査依頼を検討します。
具体的な依頼先としては、信用情報の調査を専門に扱う「信用調査会社」、そして反社会的勢力に関する調査を扱っている「専門調査会社」が一般的です。
大手の信用調査会社では、会員登録することで、企業の基本的な情報が確認できるデータベース検索が利用できます。また、多くの信用調査会社では、追加料金を支払うことで現地取材などを通じた反社リスク調査が依頼可能です。
一方、反社会的勢力の調査を専門として扱う調査会社では、独自のネットワークや関係機関、対象者周辺への聞き込み等を通じて、信用調査会社では得にくい情報を調査していきます。大手の信用調査会社で断られたときや調査内容に納得ができないとき、さらには、セカンドオピニオンとしても利用することができます。

④:公的機関や弁護士に相談する
反社関与が疑われたときは、即座に取引や契約の解除に踏み切るのではなく、まずは各自治体の暴追センターや警察、または弁護士に相談します。報復や不当要求などのリスクが想定されるためです。
暴追センターは都道府県ごとに設置されており、企業からの照会に対して情報提供や助言を行っています。該当企業が暴力団関係者かどうか特定できる可能性があり、また開示されなかったとしても、具体的な対応の仕方をアドバイスしてくれます。状況によっては、警察と連携を取ってくれることもあります。
また、報復や不当要求などのリスクが強く懸念される場合、すでに被害が発生していると考えられる場合は、早めに警察や弁護士に相談することをおすすめします。警察に相談することで、例えば関係者の自宅周辺のパトロールや、交渉の場として警察施設を利用させてもらえる可能性があります。
さらに、不当な要求については、弁護士に相談することで「これ以上不当な要求をしないように」という通知書を送付してもらえたり、実際に詐欺被害に遭った場合は、お金を取り戻すための法的なサポートを受けることができます。
⑤:これからの具体的な対策や対応方法を相談する
反社会的勢力との関係を遮断するための、今後の対策や対応方法を定めておきましょう。
具体的な対策としては、各自治体の暴力団排除条例に基づいて反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を契約書に明記したり、新規取引時・採用時の反社チェックフローを整備したりといったことが挙げられます。
また、このときの相談先は弁護士か、反社対策専門のコンサル会社となります。反社対策専門のコンサル会社とは、反社会的勢力との関係を持たない組織づくりをサポートしてくれる会社を指します。
加えて、問題が発生した際にすぐ対応できるように、「社内でのコンプライアンス研修を徹底する」「各自治体の暴追センターの会員になる」「調査会社に定期的なモニタリング調査を依頼する」などの体制を整えておくことが大切です。
反社関与を確認する際のポイントと注意点

最後に、反社関与を確認する際のポイントと注意点についてまとめていきます。
【反社関与を確認する際のポイントと注意点】
1. 客観性を確保すること
2. 個人情報保護法に対応すること
3. 過剰な反応を避けること
4. 複数の情報源から入手すること
1. 客観性を確保すること
調査を進める際は、「この会社なら大丈夫」「あの人なら安心」など主観的な判断をしないように気をつけましょう。
取引を開始する際は、企業の規模を問わず、必ず反社チェックを実施することを社内のルールとし、担当者の直感や経験に頼って判断しないように気をつけます。
2. 個人情報保護法に対応すること
反社チェックを行う過程で、個人情報を取り扱う機会は避けられません。その際は、個人情報保護法に基づいた適切な対応が求められます。
具体的には、チェックの目的を明確にし、必要最小限の情報のみを収集・利用することです。個人情報の管理体制を整備し、情報漏洩防止のための措置を講じましょう。
3. 過剰な反応を避けること
単なる噂や疑わしい情報だけで取引を拒否する・安易に警察に通報したりするなど、過剰な反応は避ける必要があります。過剰に反応することで、日頃の業務に支障をきたしたり、無用なトラブルを招いたりする恐れがあるからです。
事実関係を十分に確認し、冷静かつ合理的な判断に基づき、バランス感覚を持って調査活動に臨むことを忘れないようにしましょう。
4. 複数の情報源から入手すること
情報を収集する際は、「インターネット検索だけ」「新聞記事検索だけ」ではなく、複数の情報源から入手し、情報の信憑性を高めることも重要なポイントとなります。
単一の情報源では把握しきれないリスクを広くカバーできますし、入手した情報が虚偽やデマの可能性も十分考えられるからです。また、同姓同名・同一社名である可能性も否定できません。
情報を入手する際は、公的機関など信頼性の高いデータベースを活用しつつ、網羅的に調査することを心がけます。
確認すべきは「情報」ではなく質の高い「結果」
誰もがインターネットやSNSで簡単に情報を得られるようになり、さらに、民間団体が提供する反社チェックツールを使えば、簡単に反社に関する公開情報が入手できる時代です。
このような、インターネットや新聞、公表された資料などから得られる情報は「インフォメーション(Information)」と呼ばれ、反社関与について調査する際、多くの人がこのインフォメーションの収集と整理に集中しがちです。
しかし、最終目的は情報を集めることではなく、集めた情報から結論を出すことです。
多数の情報から分析し、導き出した結果は「インデリジェンス(Intelligence)」と呼ばれ、調査において肝心なのは、インフォメーションを集めることではなく、得られた大量のインフォメーションを用いて、専門的な知見や分析を加えたインテリジェンスを得ることにあります。
私たち総合調査会社「トクチョー」では、独自に集積・構築した情報との照会、官公庁情報、各種メディア情報による反社会的勢力との関係性の調査に加え、関係機関・対象者周辺への聞き込み(内偵)による調査によって、質の高いインテリジェンスをご提供します。
取引先について悪い噂などが出てきた際は、今後の取引深耕の是非判断のためにも、まずはお気軽にご相談ください。
総合調査会社トクチョーで「価値ある情報」を
株式会社トクチョーは、60年以上続く総合調査会社です。豊富な経験と、長年の実績で培った調査力で、上場企業から中小企業・スタートアップまで、幅広くお客様のご要望にお応えしてまいります。
- ・反社会的勢力対策
- ・人材採用
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