与信調査(信用調査)は失礼にあたる?信頼関係を崩さず調査するポイント

2025/11/14

与信調査(信用調査)は失礼にあたる?信頼関係を崩さず調査するポイント

与信調査は安全な取引に欠かせないリスク管理の一つですが、「相手に失礼にあたるのでは?」「関係が悪化しないか?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、与信調査(信用調査)が失礼にあたらない理由と、取引先との信頼関係を崩さずに調査を進めるための具体的なマナーと進め方を解説します。

さらに、「与信調査を取引先企業に知られたくない」とお困りの方に向けて、極秘で調査を行う方法も詳しくご紹介します。

ぜひ参考にご覧ください。

与信調査とは?目的や調査内容

そもそも与信調査とは、新規の取引先と取引を開始する前に、支払い能力や信用状況を調べることです。信用調査と呼ぶこともあります。

与信調査の目的と重要性

与信調査の主な目的は大きく二つあります。

一つは、安心して取引できる相手か支払い能力を確認することです。具体的には、資金繰りが悪化したり、相手企業が倒産したりする可能性を判断し、売掛金の未回収リスクや連鎖倒産リスクを未然に防ぎます。

また、この判断に基づいて、どのくらいの金額まで取引できるかという限度額も決定します。

もう一つは、約束を守ってくれる企業か、その信用度を確認することです。支払い能力に問題がない企業であっても、期日までに代金を支払ってくれないというケースがあり得るためです。加えて、悪質な詐欺の可能性がないかどうかも確認します。

調査方法について

与信調査の最も一般的な方法として、帝国データバンク(TDB)や東京商工リサーチ(TSR)、海外ではDun & Bradstreet(ダンレポ)といった調査会社が提供しているデータベース検索を利用することがあげられます。

調べたい会社がデータベースに登録されていれば、基本情報や決算公告などが確認でき、さらに、調査員による実地調査を依頼することも可能です。

データベースに登録されていない場合や、費用面などの関係で調査依頼が難しい場合は、業歴や資本金、官報公告などで自社判断するケースもあります。

調査内容について

具体的な調査内容については、企業の基本情報から財務情報、借入状況、取引している金融機関、主要な取引先、登記情報、経営状況など幅広い情報を取得していきます。

また、上記のような数字で把握できる定量情報の他にも、経営者の人柄や資質、事業内容や技術力、コンプライアンスへの取り組み、業界内での評判、社内の雰囲気、反社会的勢力との関わりがないかなど、数字では把握できない定性情報についても収集します。

※上記は、TDBやTSRなどの調査手法そのものを示すものではなく、一般的な与信判断に用いられる情報項目の例です。

与信調査は失礼にあたる?調査の進め方とマナー

与信調査は失礼にあたる?調査の進め方とマナー

結論として、与信調査は失礼にはあたりません。

与信調査の実施は、個人がローンを組む際の与信審査と同様に必須の調査であり、企業のリスク管理の一環として行われるものです。

そもそも、信用調査会社のデータベースから情報を入手して与信調査を実施するのであれば、相手企業にバレることはありません。

しかし、データベース検索では基本的な情報しか入手ができないため、より詳細な情報を入手したい時は、調査員が直接現地に足を運んで調査を実施するサービスを利用することになります。調査員が訪問する際に依頼主を明かすことはありませんが、「調査員が来た」ということで、やはり直近に商談があった企業が疑われる可能性は否定できません。

失礼と感じさせない与信調査の進め方とマナー

相手企業に誤解されたり、心象を悪くされたりといったことがないように、与信調査を実施する際は、事前に「社内ルールで実施せざるを得ない」旨を丁重に伝えておくと良いでしょう。多くの場合、このように事情を伝えておくだけで問題はありません。

調査によって、取引条件の悪化を心配されるケースや、急ぎの案件の場合だとスピードに影響が出るのでは?と懸念されるケースもあります。そのため、「取引を前向きに考えている」「スピード感を持って進めたい」と一言添える配慮も大切です。

また、調査で得た情報の取り扱いについて、厳重な管理を約束するなど配慮を示すのも、相手企業との信用につながる姿勢です。

なお、当然ですが「調査を受けてもらうのは当然」という高圧的な態度は失礼にあたりますので、ビジネスマナーを守り、節度を持って丁寧に対応することを心がけましょう。特に担当者への取材や実地調査を伴う際は、倫理的かつ誠実な態度を保つことが、結果的に正確な情報を得るために大切な要素となります。

与信調査を拒否する理由・事情

すべての会社が、与信調査に快く応えてくれるわけではありません。与信調査は義務ではないため、調査員の訪問を拒否することができます。

拒否する理由としては、「財務状況や取引状況を公開すると自社にとって不都合がある」という場合や、単純に「回答する義務がない」という場合が考えられます。

また、与信調査に応えてくれたものの、「自分たちを信用していないのでは?」と心象を悪くされることもあります。特に良好な関係を築けていると考えている企業にとっては、不信感を抱かれたと感じてしまう場合もあるでしょう。

このような拒否や心象悪化のリスクを避けるためにも、調査を行う側は、調査の目的と情報の機密性を丁寧に伝える姿勢がとても重要になるのです。

与信調査を知られたくない…取引先にバレる要因

与信調査の実施を、取引先企業に知られたくない場合もあります。

先ほどは、失礼のないように事前に与信調査の実施を伝えておくと良いとお話しましたが、知られたくない場合は、相手に「調査します」と通告する必要はありません。また、外部の調査員が訪問する際も、依頼主を明かすことはありません。

しかし、それでも取引先に与信調査がバレてしまうケースがあります。ここでは、その主な要因を3つご紹介します。

【取引先に与信調査がバレる主な要因】
①:担当者が自ら直接調査を行った
②:調査の実施を口外してしまった
③:調査の実施時期から推測された

①:担当者が自ら直接調査を行った

担当者が経営状況や財務状況についてヒアリングを実施すると、当然ながら「調査されている」と気付かれやすいです。

また、あからさまな内容でなくても、聞き取りの内容や質問の掘り下げ方から、与信調査だと推測されることも少なくありません。

②:調査の実施を口外してしまった

調査の実施を口外し、それが何らかのルートで取引先に漏れてしまうこともあります。

例えば、飲食店や公共交通機関などで同僚と調査の話をしてしまい、その内容を周囲に聞かれていたり、うっかり取引先の担当者に話してしまったりといったミスがあげられます。

③:調査の実施時期から推測された

調査の実施時期によっては、取引先に推測される可能性もあります。

例えば、直近で調査対象企業に対して広範なヒアリングを行っていた直後に外部の調査が入った場合など、調査のタイミングから関連性を疑われるのはよくあるケースです。

取引先にバレずに与信調査を実施する方法

取引先にバレずに与信調査を実施する方法

取引先企業にバレることなく与信調査を実施するには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

次に、与信調査を極秘に、そして失礼のないように進めるための具体的な方法を3つ見ていきましょう。

【与信調査を極秘に進める方法】
①:相手に知られることのない方法で行う
②:情報の漏洩を防ぐ
③:内密に進めてくれる調査会社を活用する

①:相手に知られることのない方法で行う

内部調査(社内調査)や官公庁調査、インターネット調査など、取引先に知られることのない非接触型の方法で情報を集めます。

例えば、株式会社の場合だと、規模に関係なく原則的に決算公告が義務付けられているため、オフィシャルサイトのIRページなどで情報を探すことができます。この他にも、官報や四季報、金融庁のEDINETなど、公開情報を活用して様々な情報を探すことが可能です。

ただし、公開情報や評判などの定性情報を収集する際は、誤情報や悪意のある投稿も含まれる可能性があるため、必ず信頼できる情報源や公的なデータと照らし合わせ、多角的に検証しなければなりません。

②:情報の漏洩を防ぐ

調査内容や、調査を行っていること自体を外部に漏らさないように、社員への周知を徹底しましょう。

情報漏洩の対策としては、下記の方法が有効です。

  • ・私的な場で仕事内容を話さない
  • ・誤送信が起きない環境を作る
  • ・情報が持ち出せない環境を作る
  • ・デスク上は常に片付けて情報を放置しない

また、IDとパスワードを適切に管理したり、不正アクセスやウイルス感染に備えてセキュリティソフトを導入したりと、デジタルデータの流出を防ぐ取り組みも忘れないようにしましょう。

③:内密に進めてくれる調査会社を活用する

どの信用調査会社も、依頼主について明かさないのが基本的なルールです。しかし、前述の通り、調査の時期によっては依頼主が推測されてしまうケースがあります。

「調査員による実地調査は避けたい」「取引先への直接調査は避けてほしい」という場合は、調査員が調査対象に接触することなく、内密に進めてくれる調査会社を活用するのがおすすめです。

調査会社を選ぶ際は、調査実績は豊富か?公平中立的な調査を実施しているか?といった点に注目してみると良いでしょう。

安全・確実に与信調査を進めたいならプロに相談!

私たち総合調査会社のトクチョーでは、経験豊富な調査員が露見に配慮しながら与信調査を実施しています。そのため、「相手に知られず、失礼のないように調査したい」「信用調査会社の訪問を取引先に拒否された」とお困りの場合でも、安心してご利用いただけます。

また、トクチョーでは信用調査会社で実施していない人物調査や反社チェックなど、幅広い調査に対応しています。与信調査だけでは得られない潜在的なリスクが把握できることから、信用調査会社での調査と並行して依頼されるケースも多く見受けられます。

特に人物調査や反社チェックなど、定性情報を伴う調査は、個人情報保護法や各種条例などのコンプライアンス・法規制に違反するリスクがあるため、法律を遵守できるプロの調査会社に依頼することが最も安全で確実です。

下記にてトクチョーの調査サービスをご案内しておりますので、ぜひご検討ください。

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総合調査会社として、企業経営やビジネスでの意思決定に必要な、データベースからは得られない情報をお届けしています。

状況に応じた 多面的な調査により、取引先や競合企業についてより充実した理解のためにご利用いただけます。

また、 労務管理にまつわる社員の調査、クレーマーや不審人物の素性調査等もお気軽にご相談ください。

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