信用調査会社(与信調査会社)とは?サービス内容や費用感を解説

2025/11/21

信用調査会社(与信調査会社)とは?サービス内容や費用感を解説

新たな取引を始める際、あるいはM&Aや業務提携といった重要な経営判断を下す際などに、取引先企業の信用情報を調査することを「信用調査(与信調査)」といいます。そして、この信用調査をサービスとして提供している機関が「信用調査会社(与信調査会社)」です。

本記事では、信用調査会社とは具体的にどのような調査サービスを提供しているのか、代表的な会社やサービス内容、費用感について紹介します。また、信用調査だけでは把握しきれない取引先企業に潜む様々なリスクや、それらの情報を調査する方法も解説します。

「信用調査会社のサービス内容や、どのような会社があるのか知りたい」という方から、「新規取引を安全に進めたい」「売掛金の未回収リスクや詐欺被害に遭うリスクを防ぎたい」とお考えの方まで、ぜひ参考にご覧ください。

信用調査会社とは?調査会社の特徴と役割

前述の通り、信用調査会社(与信調査会社)とは、新規取引開始時やM&Aを検討時などに、取引相手が安心して取引できる相手かどうか、主に資力や支払い能力を中心に調査を実施する機関のことです。

【調査を実施する主なきっかけ】
・新しい取引先と契約を結ぶ
・高額取引や長期契約を予定している
・投資・提携・M&Aを検討している
・海外企業など情報が少ない相手との取引を控えている
・既存の取引先に支払いの遅れなど異変が見られた
・業界内の噂で既存取引先の不祥事の情報を知った

信用調査は、必ずしも調査会社に依頼する必要はありません。特に、調査対象が過去に取引経験のある企業を再調査する場合や、定期的なモニタリングの場合は、自社内で過去の取引データや、従業員から直接ヒアリングした情報をもとに評価するケースもあります。

しかし、取引先企業の情報が何もない状況だったり、海外企業やスタートアップなどで入手できる情報が少ない状況だったりと、そもそも情報を手に入れる手段がない場合は、やはり社内のリソースだけで調査するのは難しく、信用調査会社を利用するのが一般的な流れとなっています。

関連記事:新規の取引先企業を調査する重要性|具体的な調査内容や調査方法とは? >

信用調査会社の役割

企業と取引を行う際に相手企業について事前に調べることはリスク管理の一環として重要だとわかっていても、契約のスピード感や予算の関係などから、調査会社に依頼できないケースもあるでしょう。

しかし、自社で調査を行う際には、以下のようなさまざまなリスクが伴います。

【自社調査で発生しうる主なリスク】
・心象の悪化と取引への支障
・評価の客観性欠如
・法令違反の危険性

例えば、自社の担当者が取引先に財務状況や評判を直接ヒアリングすると、「信用されていない」「疑われている」と相手に感じられ、心象を悪くし、その後の取引に支障をきたす可能性があります。

また、自社で調査を進めると、担当者の先入観や思い込みが入り込んで客観性に欠ける主観的な評価となり、潜在的なリスクを見逃す危険性もありますし、知らず知らずのうちに行き過ぎた調査を実施してしまい、名誉棄損やプライバシー侵害など、法律に違反する恐れも考えられるでしょう。

これらのリスクを低減する役割を持つのが信用調査会社です。調査会社へ依頼すれば、法に則って適切な調査が実施され、客観的かつ中立的な情報が得られます。また、第三者という立場から、企業間のスムーズで安全な取引を支える役割も担います。

信用調査会社のタイプと代表的な調査会社

信用調査会社は、大きく分けて次の3つに分けられます。

【信用調査会社】
1. 国内の企業を対象とする大手信用調査会社
2. 海外企業や多国籍企業を対象とする外資系・国際信用調査会社
3. 大手の調査会社でカバーしきれない情報に特化した総合調査会社

以下にて、それぞれの特徴をご紹介します。

1. 国内の大手信用調査会社

信用調査会社の国内最大手は、東京商工リサーチ(TSR)と帝国データバンク(TDB)です。国内の大半の企業を調査対象とし、定期的な調査で、データベースに情報を蓄積・更新しています。データベース検索に加えて、個別での実地調査を依頼することも可能です。

2. 外資系・国際信用調査会社

海外企業や多国籍企業の調査を専門とする調査会社の最大手は、米国のDun & Bradstreet(D&B)となります。D&Bが提供する信用調査レポートは「ダンレポ」や「D&Bレポート」と呼ばれ、日本を含めた全世界240超の国と地域をカバーしています。

外資系企業や海外企業の信用調査を希望する際は、まずD&Bのデータベースを利用すると良いでしょう。

3. 総合調査会社

上記のような大手の信用調査会社でカバーしきれない特殊な情報に特化しているのが、総合調査会社です。

総合調査会社とは、信用調査に加えて、レピュテーション調査、市場調査など、特定の分野に限定せず、包括的な調査を提供している調査会社です。調査対象は企業だけでなく、特定の人物や個人に関わる情報、また特定の不正リスクなど幅広いのが特徴です。

大手信用調査会社のデータベースでレポートが取得できない時や、調査を断られた時、スタートアップの調査を希望している時、また、データベースで入手したレポートだけでは不安がある時などは、総合調査会社に依頼すると良いでしょう。

興信所・探偵事務所との違いとは?

興信所と探偵事務所は、いずれも様々な調査方法を用いて情報を収集する機関です。

信用調査会社との違いですが、TSRやTDBが主に「企業」を対象にした情報収集・信用調査に特化しているのに対し、興信所や探偵事務所は主に「個人」を対象にした実地調査(張り込み・尾行など)に強みを持っています。

信用調査会社の主なサービス内容

信用調査会社の主なサービス内容

大手調査会社の最も基本的なサービスは、オンラインによるデータベース検索です。データベース検索では、会社の基本情報や決算公告、各社が収集・分析した客観的な財務情報など、数字で把握できる定量情報が入手できます。

【データベースにて取得できる主な情報】
・企業概要
・沿革
・主な取引先
・役員構成
・登記情報
・財務状況
・借入状況
・主要な取引先
・主要な取引金融機関
・信用スコア(評価) など

上記のレポートに加えて、調査員による実地調査(個別レポート作成)を依頼することもできます。実地調査では、経営者の経歴や資質、事業内容や技術力、コンプライアンスへの取り組み、業界内での評判、社内の雰囲気など、数字では把握できない定性情報についても収集することが可能です。

※本項の実地調査は、TDB・TSRのサービス内容そのものを示すものではありません。

【個別レポートで取得できる主な情報】
・業界内の評判(経営者の人柄、顧客からの評判など)
・支払状況(手形サイトの遵守・遅延の有無)
・同業他社や仕入先からのヒアリング情報(風評・信頼度)
・倒産リスクに関する定量評価(スコア・格付け)
・その他(技術力や今後の事業計画など)

※本項の実地調査は、TDB・TSRのサービス内容そのものを示すものではありません。

信用調査会社の費用感

信用調査会社の費用感は、サービスの種類や情報の網羅性、そして調査手法によって大きく異なります。

大手調査会社のデータベースを利用する場合は、まずサイトで会員登録を行い、必要なサービスに応じて課金する形になります。個別レポートを依頼する場合は、公開情報を中心にまとめたもので1万円から3万円程度、調査員による実地調査で5万円から数十万円程度、調査対象が海外の企業や大規模の場合は、それ以上になることもあります。

一方で、中小規模の信用調査会社の費用相場は、実地取材による個別レポートの作成で1社あたり数万円から数十万円が相場です。例えば、私たち総合調査会社のトクチョーでは、1法人につき5万円+経費から承っております。

信用調査だけでは不十分?反社チェックや側面調査の重要性

残念ながら、上記のような信用調査だけでは取引先企業が反社会的勢力に関与しているかどうかや、SNSなどでの評判、詐欺リスクまではカバーできません。

そのため、場合によっては、これらの不足している情報を補う調査も必要です。

具体的には、反社会的勢力の関与については反社チェックを専門に行う調査会社、SNSなどでの評判を調査する場合はレピュテーション調査会社に依頼します。また、幅広いリスクを包括的に依頼できる総合調査会社もおすすめです。

【レピュテーションとは】
レピュテーションとは、企業や組織に対する世間からの評判やイメージのことです。
評判の悪化により企業価値が損なわれるリスクをレピュテーションリスクといいます。

 

精度と深度の高い信用調査を実現するポイント

精度と深度の高い信用調査を実現するポイント

より精度と深度の高い調査を実現するポイントは、大手の信用調査会社から入手したレポートを活用しつつ、実地調査を強みとする調査会社に依頼し、実際に足を運んで、代表者や担当者にヒアリングをしたり、会社や工場の様子を視察したり、周囲の関係者に聞き込み(側面調査)をしたりすることです。

例えば、レポート上の数字だけ見ると健全な経営状態に見える会社が、実は取り込み詐欺集団、いわゆるパクリ屋だったという例も存在します。

特に急ぎの案件だと、「この会社なら大丈夫だろう」という思い込みで、よく調べず契約を結んでしまうことも少なくありません。しかし、上記のような詐欺被害にあったり、売掛金が焦げついたりといった可能性を踏まえ、多角的な視点で調査することが大切です。

信用調査に「総合調査会社」という選択肢

今回は、信用調査会社とは何かについてご紹介しました。

私たち総合調査会社のトクチョーでは、他の信用調査会社でカバーしきれない情報を補完する目的でご依頼いただくケースや、「他の調査会社に依頼したところ、先方から取材を拒否された」ということで依頼されるケースも稀にあります。もちろん信用調査のみの依頼も可能です。

実際に、ご依頼いただいた企業様の中にも「信用調査会社での報告書だけでは見えなかった潜在的なリスクを見抜くことができた」という事例が多々あります。安全に取引を進めたいとお考えの担当者様は、ぜひ総合調査会社の活用もご検討ください。

トクチョーの調査サービス一覧 >

総合調査会社トクチョーで「価値ある情報」を

株式会社トクチョーは、60年以上続く総合調査会社です。豊富な経験と、長年の実績で培った調査力で、上場企業から中小企業・スタートアップまで、幅広くお客様のご要望にお応えしてまいります。

  • ・反社会的勢力対策
  • ・人材採用
  • ・企業間取引(デューデリジェンス)
  • ・上場準備(IPO)
  • ・WEB風評被害対策
  • ・社内リスク対策
  • ・競合調査など

「こういう点を深掘りしてほしい」といった細かなご要望や、弁護士や外部専門家が関与するケースにも柔軟に対応できます。インターネットのみで完結する簡易的な調査ではなく、取材などからより深い情報収集が可能ですので、フォームまたはお電話にて、お気軽にご相談ください。

ビジネスでの調査なら総合調査のトクチョーへ

1965年創業の信頼と実績。
総合調査会社として、企業経営やビジネスでの意思決定に必要な、データベースからは得られない情報をお届けしています。

状況に応じた 多面的な調査により、取引先や競合企業についてより充実した理解のためにご利用いただけます。

また、 労務管理にまつわる社員の調査、クレーマーや不審人物の素性調査等もお気軽にご相談ください。

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