社内不正の調査方法や発生時の対応方法は?よくある事例や調査フローについて

2026/04/13

社内不正の調査方法や発生時の対応方法は?よくある事例や調査フローについて

企業にとって、社内不正は直接的な金銭的損失にとどまらず、社会的信用の失墜、法的責任、さらには組織全体の士気低下を招く重大なリスクです。

万が一、社内で不正の疑いが生じた際は、客観的な証拠に基づく冷静な調査が求められますが、実際に不正の疑いが発覚すると、焦りや不安からリスクの高い調査を実施してしまうケースは少なくありません。

そこで本記事では、社内不正のよくある事例から調査手法、不正行為が発覚した際の対応方法、解決までの調査フローについて解説していきます。さらに、不正行為が発生する要因や背景、調査時の注意点についてもご紹介します。

社内不正のよくある事例

社内不正は大きく分けて、以下の4つのカテゴリーに分類されます。

【社内不正の一般的な事例】
①:資産の不正流用
②:不正な報告/データの偽装
③:機密情報・個人情報の漏洩
④:コンプライアンス違反

それぞれ詳しく見ていきましょう。

事例①:資産の不正流用

資産の不正流用とは、会社の現金や物品を私的に利用・搾取する行為を指します。

具体的には、預金や現金の抜き取りといった直接的な横領・着服のほか、取引先との不要な癒着によって会社資金を流出させるキックバックの受領などが該当します。

事例②:不正な報告/データの偽装

会社の記録を操作して実態を隠蔽、あるいは歪曲する行為です。架空取引や水増し請求、粉飾決算などが代表的な例です。

また、残業代を不当に得るための勤怠不正も該当します。

事例③:機密情報・個人情報の漏洩

企業の競争力を支える独自の技術情報や顧客データを外部へ流出させる行為など、機密情報・個人情報の漏洩も社内不正の一つです。

競合他社への情報持ち出しは、企業の存続に関わる致命的なダメージとなり得ます。

事例④:コンプライアンス違反

コンプライアンス違反とは、セクハラやパワハラといったハラスメント、カルテル、労働基準法違反など、法律・社内ルール・社会規範に反する組織的・個人的な行動全般を指します。

これらの行為は、直接被害を受けた社員の心身の健康を害するだけでなく、会社や他の社員にも大きな損害を与える行為です。

関連記事:社員の社内不正・不祥事調査の心得と実態解明・対処法を事例で学ぶ >

社内不正が発生する背景

このような不正行為が発生する背景には、どのような事情があるのでしょうか。

米国の犯罪学者ドナルド・R・クレッシーが提唱した「不正のトライアングル」理論によれば、不正行為は以下の3つの要素がすべて揃った際に発生しやすいとされています。

【不正のトライアングルを構成する3要素】
1. 動機(プレッシャー)
2. 機会
3. 正当化

1つ目の「動機(プレッシャー)」とは、社員に個人的な借金があったり、過大なノルマが課せられていたりと、不正に手を染めざるを得ない事情がある状態を指します。

2つ目の「機会」は、誰にも見つからずに不正ができる環境のこと。チェック体制の不備や、特定の社員への権限集中などがこれに該当します。

3つ目の「正当化」は、会社のためだから、あるいは後で返せばいいからといった、自らの行為を不当ではないと思い込ませる心理的な言い訳が成立している状態を指します。

これら3つの条件が社内不正に至る原因だとは必ずしも言い切れません。しかし、不正調査を進める上で、どこに要因があったのかを特定する大きなヒントとなり得ます。また、再発防止策を講じる上でも重要な要素です。

社内不正の一般的な調査方法

社内不正の一般的な調査方法

不正調査において最も重要なのは、対象者に警戒させず、言い逃れのできない証拠を迅速に揃えることです。

そのため、該当の社員にヒアリングを実施する前に、まずは情報の収集と証拠の保全を行っていくのがポイントとなります。

そこで次に、具体的にどのような方法で情報を収集していくのか、一般的な調査手法について見ていきましょう。

デジタル・フォレンジック調査

デジタル・フォレンジック調査とは、PCやスマホなどから、操作ログやメール、チャット履歴といったデジタルデータを解析することです。

近年、不正の証拠の多くはデジタルデータとして残るため、最も重要性が高まっている調査手法です。

【デジタル・フォレンジック調査の一例】

  • 削除データの復元:隠蔽のために消去されたファイルやメールの復元。
  • ログ分析:アクセス履歴や外部機器の接続履歴から、不正操作の実行者を特定。
  • 指示系統の把握:チャット履歴から不正の指示や共謀関係を可視化。

 

関連記事:役員社員の不正実態解明に欠かせないフォレンジック調査を事例で解説 >

書類・物的証拠の精査と鑑定

請求書や領収書、稟議書、会計帳簿などの書類をチェックします。伝統的な手法ですが、経理不正や資産横領においては必須の調査です。

不自然な取引や金額の不一致、社内の承認プロセスを逸脱する流れがないかなどを見つけ出します。

例えば私たち総合調査会社のトクチョーでは、不正の疑いがある領収書や請求書について、筆跡鑑定や指紋鑑定を行うことで、主観に頼らない客観的な証拠を固めていきます。

トクチョーの「筆跡鑑定/指紋鑑定」について >

現物確認・実地調査

在庫や固定資産などの物理的な資産について現物確認を行い、帳簿上の記録と一致するかどうかを確認します。あわせて、防犯カメラの映像や入退室管理ログの確認、実際の業務プロセスが規定通りに行われているかのチェックも並行して実施します。

より踏み込んだ調査として、尾行や張り込みによる「行動調査」や、現地周辺での聞き込みを行う「取材調査」がありますが、これらはリスクが高いため、プロの調査会社へ依頼することをお勧めします。

関係者へのヒアリング

物的証拠やデータ分析の結果を裏付けるために、関係者への聞き取りを行います。通報者からは調査の端緒となる情報を、同僚や部下からは対象者の勤務態度などの周辺情報を収集します。

最終的には、収集した客観的証拠に基づき、不正容疑のある社員に対して事実認定を行います。ヒアリング成功の鍵は、事前に言い逃れができない証拠をどれだけ揃えられるかにかかっています。

不正発覚から解決までの一般的な調査フロー

不正発覚から解決までの一般的な調査フロー

次に、社員の不正が発覚してから解決するまでの、一般的な調査フローを見ていきましょう。

【社内不正の一般的な調査フロー】
①:事実関係の整理・証拠の保全
②:社内調査の可否判断
③:該当社員へのヒアリング
④:調査・報告書作成と処分

①:事実関係の整理・証拠の保全

まずは落ち着いて現場を整理し、不正の種類や発生部署、関与が疑われる人物を特定します。

前述の通り、特に対象社員のPCやスマートフォン、業務書類は、証拠隠滅を防ぐため直ちに保全しなければなりません。

②:社内調査の可否判断

事実関係が整理できたら、自社で解決可能か、あるいは外部の専門機関に依頼すべきかを判断します。

外部機関に依頼する場合、実地調査など不正調査全般の相談・依頼は調査会社に、法的観点の手続きやプライバシー保護に関する依頼は弁護士に、会計上の不正は公認会計士に、データの保全・解析の依頼はデジタル・フォレンジック調査会社に委託します。

どこに委託すれば良いかわからないときは、社内不正の調査全般に対応している調査会社に相談すると間違いないでしょう。

社内で実施する場合には、不正の当事者と利害関係のないメンバーを選任し、中立性を保った調査チームを組織します。

専門家 対応している調査
調査会社
  • 不正調査全般
  • 現地調査(行動調査/取材調査)
弁護士
  • 法的な観点からの手続き
  • プライバシー保護
公認会計士
  • 会計不正
デジタル・フォレンジック調査会社
  • デジタル証拠の保全・解析

③:該当社員へのヒアリング

収集した情報を元に該当社員にヒアリングを実施します。プライバシーに十分配慮した環境で、感情的・威圧的にならないように、中立な立場で事実を確認していくのがポイントとなります。

例えば、「なぜこのような不正を行ったのか?悪いことだと思わなかったのか?」といった聞き方ではなく、「⚪︎日の⚪︎時頃に、このようなログが残っていました。これに間違いないでしょうか?この操作には、どのような意図があったのでしょうか?」と事実を具体的に伝え、話が一方的にならないように、該当社員の言い分も丁寧に聞き取ります。

また、ヒアリング時は録音も実施します。録音する旨については、事前に承諾を得るようにしましょう。

なお、調査を外部に委託したとしても、関係者へのヒアリングについては社内で実施するのが通常です。ただし、具体的なヒアリングの流れや法的リスクの回避方法について、事前に相談することは可能です。

④:調査・報告書作成と処分

客観的なデータに基づき、事実関係をレポート(調査報告書)にまとめます。

その後、就業規則に基づいた処分を検討・実施し、同様の事案が再発しないように内部通報制度などの仕組みづくりを検討する流れとなります。

調査を成功させるためのポイント

社内不正の疑いがあるとき、すぐに本人を問い詰めたくなるのが心情ですが、これは非常に危険です。証拠が不十分な段階でヒアリングを先行させると、対象者が警戒して証拠を隠滅したり、口裏合わせを行ったりして、調査が困難になるリスクがあります。

まずはあらゆる調査方法を駆使して外堀を埋め、確固たる証拠を揃えてから、慎重にヒアリングに臨むようにしましょう。

社内不正の調査を進める上での注意点

社内不正の調査を進める上で、企業が最も慎重に扱うべきなのが、対象社員や関係者のプライバシー保護です。法的根拠や適切な手続きを欠いた調査は、後からプライバシー侵害や名誉毀損として訴えられるリスクがあります。

例えば、私物のスマートフォンを無理やり検査したり、十分な根拠なく特定の社員を犯人扱いするようなヒアリングを行ったりすることは、かえって企業側が法的責任を問われる事態を招きかねません。

これらの法的リスクを最小限に抑えるためにも、外部の専門家を交えることは、非常に有効な手段だといえるでしょう。

まずは「総合調査会社」への依頼がオススメ

ご紹介したように、社内不正の調査には、ITスキルだけでなく、尾行や取材、鑑定といった多角的なアプローチが必要です。

「どこに相談したら良いかわからない」「何から手をつけたら良いかわからない」といった場合は、社内不正の調査に対応している総合調査会社への依頼がお勧めです。

トクチョーの調査サービスについて

私たち総合調査会社トクチョーでは、フォレンジック調査やPCログ監視サービスに加え、調査で明らかになった情報から、さらに関わりのある企業や人物を掘り下げるなどの調査が可能です。

特に対象者の行動を把握する尾行や潜入調査に強みを持っており、必要に応じて女性スタッフが対応するなど、現場の状況に合わせた柔軟な体制を整えています。

また、筆跡鑑定や指紋鑑定による証拠の裏付け、盗聴器探索、弁護士と連携した法務全般のサポートまで、実態解明に必要な機能をワンストップで提供しています。

【トクチョーの社内不正調査】
・尾行・潜入調査
・筆跡鑑定/指紋鑑定
・フォレンジック調査
・PCログ監視サービス
・盗聴器探索調査
・弁護士・法務全般 等

まずはお気軽にご相談ください。

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状況に応じた 多面的な調査により、取引先や競合企業についてより充実した理解のためにご利用いただけます。

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