コンプライアンス違反となる情報漏洩を防ぐには?対策とチェック方法

2026/03/30

コンプライアンス違反となる情報漏洩を防ぐには?対策とチェック方法

企業において、ひとたび顧客情報などの重要な情報が漏洩すれば、多額の賠償金や社会的信用の失墜、さらには法的罰則によって、築き上げた事業が存続の危機に立たされることも珍しくありません。

本記事では、なぜ情報漏洩が重大なコンプライアンス違反と見なされるのか、その定義や主な原因、事例、関連する法規制を詳しく解説します。また、具体的な防止策に加え、対策を形骸化させないためのチェック・監査方法についてもご紹介します。

自社のリスクマネジメントを再点検し、コンプライアンス体制を構築するためのガイドとしてお役立てください。

なぜ情報漏洩はコンプライアンス違反になるのか

コンプライアンスとは、「企業や個人が法律・社内規程・社会倫理を守ること」という概念を指す言葉です。そして、情報を適切に管理することも、このコンプライアンスに含まれます。

データや書類など情報整理は、コアな業務が忙しいとつい後回しにしがちな業務の一つですが、現代においては、「余裕があれば取り組む」「時間ができれば取り組む」といった優先度の低い業務ではなく、企業経営に直結する重大な業務の一つだと理解する必要があります。

なぜなら、ひとたび顧客情報などの重要な情報が漏洩すれば、多額の賠償金支払いや社会的な信用の失墜、法的罰則など、企業にとって致命的な損害になりかねないからです。

ここではまず、何が問題となるのかを明確にするため、情報漏洩の定義や原因、情報漏洩に関連する法規制とその罰則について、詳しく見ていきましょう。

情報漏洩の定義と主な原因・事例

情報漏洩とは、機密情報や個人情報などが外部に流出することを指します。その原因は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の3つに分類されます。

【情報漏洩の主な原因】

  • 不注意(ヒューマンエラー):
    メールの誤送信、デバイスの紛失・置き忘れ、SNSへの不適切な投稿など
  • 意図的な漏洩:
    従業員や元従業員による持ち出しなど
  • 外部からの攻撃:
    サイバー攻撃、ウイルス感染、不正アクセスなど

意図的な漏洩の背景には、不満を持つ従業員による持ち出しだけでなく、競合他社への情報提供や、名義貸し、実態不明な企業との取引が絡むケースがあります。

さらに、内部不正については退職者による漏洩も少なくないため、日々の教育に加え、退職時の徹底した対応が求められます。

情報漏洩に関連する法規制と罰則

情報漏洩は、主に以下の3つの法律に基づき、民事・刑事・行政上の責任を問われることになります。

関連法規制 概要 罰則等
個人情報保護法 個人情報の適切な取り扱いを定めた法律。 命令違反に対し、法人は最大1億円以下の罰金。
不正競争防止法 企業の営業秘密(顧客リストや技術情報等)を保護。 営業秘密漏洩に対し、法人は最大5億円以下の罰金。
不正アクセス禁止法 他人のID・パスワードの不正利用等を禁止。 違反者に3年以下の懲役または100万円以下の罰金。

特に個人情報保護法では、従業員が違反した場合に個人だけでなく法人も罰せられる「両罰規定」が設けられています。

情報漏洩が企業にもたらすその他のリスク

上記でご紹介した法的罰則以外にも、情報漏洩は行政指導や業務改善命令の対象となり、最悪の場合は事業停止や許認可の取り消しといった行政処分を受ける可能性が。さらには、取引先や顧客から巨額の損害賠償を請求されるリスクも考えられます。

また、現代において、このようなネガティブ情報はインターネット上で瞬時に拡散されやすく、急速な顧客離れや取引停止も懸念されます。たった1通のメール誤送信が、企業の信頼を根底から揺るがし、倒産に直結する事態も否定できないのが現状です。

関連記事:個人情報漏洩のダメージは甚大!発生原因と損害状況、防止策を解説 >

情報漏洩を防ぐための4つのコンプライアンス対策

情報漏洩を防ぐための4つのコンプライアンス対策

情報漏洩を防ぐためには、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。

情報漏洩を防ぐためのコンプライアンス対策について、「組織的・人的・物理的・技術的」の4つの領域別に見ていきましょう。

【情報漏洩を防ぐコンプライアンス対策】
①:組織的な対策(管理体制とルールの明文化)
②:人的な対策(継続的な教育と意識改革)
③:物理的な対策(持ち出し・破棄ルールの徹底)
④:技術的な対策(ITシステムによる防御)

①:組織的な対策(管理体制とルールの明文化)

情報管理に関する組織としてのルールを明確にし、運用手順を定めます。

具体的には、情報管理マニュアルの作成、ISMSなどの認証取得、情報の重要度に応じた格付け(秘密区分・機密区分)の徹底等です。

また、秘密保持契約(NDA)の締結や、就業規則への罰則規程の明記など、規程の整備も必要です。

②:人的な対策(継続的な教育と意識改革)

上記で定めたルールや運用手順が守られるように、定期的なコンプライアンス研修やeラーニングを実施します。この際、法改正の周知や漏洩事例の紹介など、情報管理に関する最新情報も共有すると良いでしょう。

加えて、情報の取り扱いに関する誓約書を定期的に回収し、当事者意識を高めるとともに抑止力とします。

③:物理的な対策(持ち出し・破棄ルールの徹底)

情報の入口と出口を物理的に制限します。

具体的には、USBメモリなどの記録媒体の持ち出し制限、社用パソコン・スマホの私的利用の禁止、シュレッダー処理の徹底、オフィスやサーバー室への立ち入り制限などです。

④:技術的な対策(ITシステムによる防御)

システム的に「漏洩させない」「漏洩しても使わせない」仕組みを構築します。

情報を保管するツールは、必要な人に必要な範囲だけの権限を付与できる機能(アクセス権限)や、強固なパスワード設定、そして誰がどの情報に触れたかの記録が残る機能(操作ログ)が利用できるものを選びます。

また、脆弱性を狙った攻撃を防ぐため、OSやソフトウェアの定期的なアップデートを徹底するのもマストです。万が一、持ち出された際でも、中身が見られないようにファイルを暗号化しておくと、なお良いでしょう。

さらに、メール誤送信防止ツールやウイルス対策ソフト、メールアーカイブサービス(送受信メールの長期保管)の導入も有効です。

情報漏洩を防ぐためのチェック・監査方法

情報漏洩を防ぐためのチェック・監査方法

対策が正しく機能しているかを確認するために、継続的なチェック体制を敷く必要があります。具体的なチェック方法について見ていきましょう。

【情報漏洩を防ぐためのチェック・監査方法】
①:定期的な内部監査と自己点検
②:専門部署・資格保有者によるチェック
③:第三者の外部専門家による評価

①:定期的な内部監査と自己点検

現場の実態と制度のズレを把握・修正するため、コンプライアンスチェックシートを活用した自己点検を四半期や半年ごとに行います。

また、システム管理者はログやアクセス権限の設定を定期点検し、退職者のアカウント削除漏れや過剰な権限付与がないかを厳しくチェックします。

さらに、自社だけでなく、外注先が適切に情報を管理しているか、反社会的勢力との関わりがないかの調査をあわせて行うことも、自社の信頼を守る上で必要です。

関連記事:絶対に反社チェックが必要な5つの理由とチェック方法 >

②:専門部署・資格保有者によるチェック

コンプライアンスに関する業務は、一般的に法務部もしくは総務部が兼ねることが多いですが、近年はリスクマネジメント強化のため、独立した専門部署を設ける企業も増えています。

コンプライアンス業務を担当する部署には、経営層の主導のもと、専門資格を保有する人材を配置すると、さらにコンプライアンス体制が強化され、社会的な信頼へと繋がります。

③:第三者の外部専門家による評価

客観的な評価を得るため、第三者機関によるセキュリティ監査やコンサルティングを利用します。

情報漏洩に関する監査・調査の依頼先としては、現場を把握するケースと、情報漏洩が疑われるケースでそれぞれ変わります。

現在のセキュリティ体制を評価してもらい、さらに強化する方法を知りたい場合は、セキュリティ監査およびコンサルティングを実施している専門会社に依頼します。

一方、内部不正やウイルス感染など情報流出の原因特定は、デジタル・フォレンジック調査*を行っている会社に依頼します。

外部のプロによる、長年の経験に裏打ちされた実態調査を活用することは、体制強化の近道です。

*デジタル・フォレンジック調査(またはフォレンジック調査):パソコンやスマホなどの電子機器に保存されたデータを収集・分析すること

関連記事:役員社員の不正実態解明に欠かせないフォレンジック調査を事例で解説 >

情報漏洩対策は「継続」がポイント

情報漏洩対策は、仕組みを作って終わりではありません。

法改正への対応や最新のサイバー攻撃手法に合わせたシステムのアップデート、そして、継続的な社員教育を組み合わせて、コンプライアンス体制を強化していきましょう。

私たち総合調査会社トクチョーでは、PCやスマートフォン等のデータを復元・解析するフォレンジック調査や、PCログの監視サービス、盗聴器探索調査など、情報漏洩に関する各種対策サービスを提供しております。

【フォレンジック調査/PCログ監視サービス】
デジタル機器における情報漏洩の防止をサポートします。
また、検出された情報に対し、関連のある企業調査、人物調査、尾行調査など、掘り下げ調査に対応可能です。

【盗聴器探索調査】 専門の調査機器を使い、調査員が確かな技術と知識で盗聴器の探索を行います。
重要な情報にまつわるセンシティブな調査ですが、安心してご依頼ください。
(※一部探索できかねる盗聴器もございます。)

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総合調査会社として、企業経営やビジネスでの意思決定に必要な、データベースからは得られない情報をお届けしています。

状況に応じた 多面的な調査により、取引先や競合企業についてより充実した理解のためにご利用いただけます。

また、 労務管理にまつわる社員の調査、クレーマーや不審人物の素性調査等もお気軽にご相談ください。

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